かつて3人は血盟で分かちがたく結ばれた忍びだった。
共に幾度もの死線を潜り抜け、忍べば影、走れば紫電、敵中に舞えば血の嵐。
数えきれない忍務をこなし、その結束は鋼(はがね)の如し。
だが、そんな3人の絆は雪降る夜に儚く消えた。
親友2人を引き裂いたのは、美しいくノ一の無惨な死。
声を限りに何故だと問うも、後に残るは屍(かばね)と憎悪。
そして追う者、逃げる者。
互いの宿命(さだめ)が交錯したのも、なんの因果か雪の夜。
去りにし日々は遥かに遠く、愛しき日々は影もなく。
共に戻れぬ道なれば、後は荒野(の)となれ、血華(はな)となれ。